2022/06/10

砂鉄を眺めながら,小規模な「たたら」が操業出来ないか?と考えています。

 僕が手に持っている黒い砂は,「砂鉄」です。

この砂鉄は以前,町内で「たたら」を再現して,「玉鋼」を作るときに使用した残りです。




最近,近所に住んでいる,おじさんの家に私用で出かけていました。

この「おじさん」は,安芸太田町周辺の「たたら」や「木地師」の調査研究をしていた人です。

僕の工房には「木地師の調査研究」をされている方が訪ねて来られますが,その元になっている資料は,この「おじさん」が以前に集めていた物を使用しています。

まだ,僕の知らない資料や知識が大量に残されているので,少しずつ話を聞きながら,空白の歴史のパズルのピースを1個ずつ集めています。



今回は,「たたら」のお話を少しだけ・・・。

町内には,古い「たたら場」が沢山残っていましたが・・・ほとんどが重機などで完全に破壊されてしまっています。

しかし,数か所だけ「当時の形や規模」が確認できる状態の「たたら場」が山の中にひっそりと残っています。

こうした「たたら」の調査研究をされていた方は,大量の資料を残して,すでに亡くなられています。

今なら,まだ,ぎりぎりの状態で,現地と資料の確認が可能だと思いますので,なるべく話だけでも聞いておきたいと考えています。



そして,この「おじさん」は,小規模な「たたら」を操業できる知識と技術を持っている人です。

「今でも,たたらが操業できるか?」聞いてみたところ・・・。

「砂鉄」は,島根県で入手が可能。

「炭」は,ある。

「土」は・・・僕の家の前の山の頂上付近の「赤土」が良いらしい!?

あとは,不純物と一緒に「溶ける土」があれば・・・たたらが操業出来るそうです。

ただ,問題は・・・「人と資金」です!?

「お金があれば出来るけど,お金が無いと出来ない!?」って感じです。


「おじさん」が生きているうちに,1度だけでも・・・。

お金を貯めて,「たたら」を操業して,出来が悪くても「玉鋼」を作り・・・。

「玉鋼」から,「木工ろくろの刃物」を打ち出してやりたい!と,企んでいます。