2023/05/26

漆掻きの準備をしています。(道打ち)

 今年の漆掻きの準備をしています。



まずは・・・「道打ち」。

ウルシの木を植えている「植栽地」に行くまでの「道」の草刈りをしています。

以前は,「山」に入られる方が草刈りをして下さっていましたが・・・。

今では,山に行く人もなく・・・仕方がないので,自分で草刈りをして「道」をつけています。


すこし,話が変わりますが・・・。

この「草刈り機」は,自治会から無料で支給された物です。

そして,この草刈り機で「道打ち」(草刈り)をすると・・・時給で賃金が支給されます。

山間部地域では,高齢化が深刻で・・・草刈り機を動かす事も困難になっています。

「出来る人が出来る事をする!」って感じで,ギリギリの状態で「維持」されているのが現状です。


そんな感じの「道打ち」(草刈り)ですが,道が通れれば,「渓流釣り」に来られた方も安全に楽しめるし・・・「ま,良いか!」と,黙々と草刈り作業中です。


またまた,話が変わりますが・・・。

三段峡に渓流釣りに来られた方が,「熊が出た!?」って,帰られていました。

「ツキノワグマ」は・・・身近な生き物で,田舎ではニュースになる事もありません。


僕が,「ツキノワグマ」に遭遇したのは・・・2~3年前だったと思います。

小学生さんの通学路で,交差点に立っていたところ・・・。

道路の横から,「黒い大きな犬?」みたいな生き物がドカッと飛び出してきて・・・。

結構な速さで,まっすぐ「ドカッドカッ」と,突進してきました!?

「何処の飼い犬だろう?」と思いながら見ても,「首輪」がありません。

自分の目の前まで来たところで,「熊じゃん!?」と分かりました。

手に持っている武器は,「交通安全の黄色い旗」でしたし・・・。

「・・・噛まれるかなぁ~?」と,思いましたが,僕の近くを走り抜けて・・・山に帰りました。


こんな感じで・・・熊も見れますよ。


2023/05/18

漆塗りの工程 その3(サビ付け)

 「布着せ」の次の工程が,「サビ付け」です。



椀木地の底に,麻布を貼り付ける「布着せ」をして,休ませていた椀木地を準備して・・・。



「砥粉」と「地粉」を「奥安芸漆」と混ぜて,「サビ」と呼ばれる,やわらかい粘土状の漆を作ります。

(砥粉も地粉も,簡単に言うと「土」です。)



この「サビ漆」を麻布に塗り付けて,麻布を見えなくしてしまいます。

これが,「サビ付け」の工程になります。



この「サビ付け」なのですが・・・1回では終わりません!?

「漆ムロ」の中で,数日かけて乾燥させてから,「砥石」に水をつけながら「サビ」をといで,表面を滑らかにします。

そして,水分をとばす為に乾燥させて・・・また,「サビ付け」。

「サビ付け」,「水とぎ」を何度も繰り返しながら,麻布を見えなくします。

見えない部分ですが,この工程が,いちばん時間がかかります。

この工程を省略してお椀を制作すれば,もっと早く,たくさん作れます。

しかし,作者は「必要だ」と言い張って!?・・・見えない部分に手間と時間をかけています。


2023/05/09

漆塗りの工程 その2(布着せ)

 「木地固め」が終わって,休ませていた椀木地に「麻布」を貼り付けます。

この,麻布を貼り付ける工程を「布着せ」と言います。



最初に,「米粉」を鍋で煮て,「米糊」を作ります。



そして,米糊に「奥安芸漆」を混ぜます。



米糊だけでは接着力が弱いのですが,漆が混ざる事で,「強力な接着剤」になります。

この「米糊+漆」の接着剤は,古くから使用されている物で・・・。

「金継ぎ」などで,割れた陶磁器を接着するのにも使用します。


この,昔の接着剤を麻布に塗って,お椀の底に貼り付けます。



そして,「漆ムロ」で,一休み・・・。