「布着せ」の次の工程が,「サビ付け」です。
椀木地の底に,麻布を貼り付ける「布着せ」をして,休ませていた椀木地を準備して・・・。
「砥粉」と「地粉」を「奥安芸漆」と混ぜて,「サビ」と呼ばれる,やわらかい粘土状の漆を作ります。
(砥粉も地粉も,簡単に言うと「土」です。)
この「サビ漆」を麻布に塗り付けて,麻布を見えなくしてしまいます。
これが,「サビ付け」の工程になります。
この「サビ付け」なのですが・・・1回では終わりません!?
「漆ムロ」の中で,数日かけて乾燥させてから,「砥石」に水をつけながら「サビ」をといで,表面を滑らかにします。
そして,水分をとばす為に乾燥させて・・・また,「サビ付け」。
「サビ付け」,「水とぎ」を何度も繰り返しながら,麻布を見えなくします。
見えない部分ですが,この工程が,いちばん時間がかかります。
この工程を省略してお椀を制作すれば,もっと早く,たくさん作れます。
しかし,作者は「必要だ」と言い張って!?・・・見えない部分に手間と時間をかけています。