2022/06/30

漆掻きがはじまりました。

 広島県の安芸太田町では,戸河内挽物の製作に使用される「漆」を採取する,「漆掻き」がはじまりました。


漆掻きの道具を持って,ウルシ植栽地へ出かけます。



「漆掻き用の鎌」で,ウルシの木に向かいながら,下草を刈って道をつけながら進みます。



この鎌で草を刈ると,おもしろいほど,サクサクと草が切れます!


今日は,ウルシの木に,1回目のキズをつけました。



キズからは,汁がにじみ出ていますが・・・まだ,漆にはなっていません。


ウルシの木は,このキズを直そうと・・・「漆」をキズの周辺に作ってキズをふさごうとします。

約5日ほど,待ってから・・・また,1つ,キズをつけます。

そして,また5日・・・また5日・・・と,キズを1つずつ増やしながら,ウルシの木がキズを直そうとして作る「漆」を,数滴ずつ人間が採取します。


一度に大きなキズをつけると・・・ウルシの木は,死んでしまいます!?

ウルシの木を,殺さないように・・・殺さないように・・・キズをつけて漆を採取します。

これを「殺し掻き」と呼びます。


2022/06/29

漆掻きの準備をしています。

 梅雨があけたら,漆掻きをはじめようかなぁ~と思っていたら・・・。

雨が降らないまま,梅雨があけてしまいました!?

川の水は渇水状態で,田んぼも干からびてしまいそうです。


工房のウルシ植栽地では,ウルシの植栽を行ってから,はじめての漆掻きです。

ウルシが元気に大きくなったから,漆掻きを行うのではなく・・・。

イノシシによって,ぐちゃぐちゃにされたウルシを,思いきって伐採する事を目的に,ついでに漆掻きもしてみる感じです。


伐採予定のウルシの木に「ピンクのテープ」を付けて歩きました。




ウルシの木は・・・ボロボロです!?

今年は,25本のウルシの木を,漆掻きをしてから伐採する予定です。

細いウルシは,そのまま伐採するかもしれませんが,大きく育ったウルシの木もありますので・・・そこそこの漆が採取できるかなぁ~?と,すこし期待もしています。


ウルシの木にテープを付けて歩いていると・・・。

「ブブブブゥ~~ン!?」と,大量のハチに襲われました!?

走って逃げて,振り返ると・・・。


ウルシの木に「ハチの巣」がありました。



山仕事には,「ハチ用殺虫剤」が活躍します!


ハチの巣の先っちょの部分は,「ハチ達が漆でつけている!?」と伝説?になるくらい・・・。

ハチ達は,ウルシの木に,よく集まっているので困ります。


2022/06/20

木地を挽きながら・・・自分が欲しい製品を考え中です。

 工房では,少しづつ木地を挽いています。

「コロナ」って言葉を聞いた時から・・・。

自分のような物作りの仕事も,「観光業の一部」なんだなぁ~と,実感しています。

「今年こそは!」と期待もしていましたが・・・。

今年は,観光地の三段峡が崖崩れの影響で,黒淵が通行止めです。

今年も・・・駄目か。と,落胆しています。


さて,工房の中では・・・。



ヤル気を失ってしまっている?作者は・・・自分が欲しい製品の制作に悩んでいます!?


僕は,この「シングルバーナーとクッカー」で・・・。

山の木々や渓流の流れを眺めながら,「インスタントラーメン」や「コーヒー」を作って・・・。

「ぼけぇ~!?」と,しているのが密かな楽しみです。

(ここ2年くらい・・・皮肉なことに,大活躍です!?)


基本的に,「シングルバーナーとクッカー」は,コンパクトに収納が可能です。





・・・で,ここからが,本題です。

この収納状態の中の「小さなスペース」に,すっぽり入る「木の器」が欲しいのです!

「なにか?ちょうど良い物はないかなぁ~?」と,工房の器を探してみると・・・。





「あ・・・。子汁椀が,すっぽり入った!」

しかし・・・。
「しんたくさんのお椀は,クッカーにピッタリですよ!」
・・・なんて,お客様から言われた事がありません!?
自分でも・・・子汁椀がクッカーに入るとしても・・・いらない!?

僕の「ぼけぇ~!?としている大切な時間」を,思いっきり「ぼけぇ~と出来る器!」を作ろう!と,真剣に?器と向き合っています!?

2022/06/12

モリアオガエルの産卵がはじまりました。

 今年も・・・。



工房の周辺では,「モリアオガエル」の産卵がはじまりました。


普段は,まったく見かける事がない「モリアオガエル」なのですが・・・。

毎年,梅雨入り前になると,何処か?から大量に現れて,数日の間に産卵をしています。

田んぼの石垣の草を,この時期には刈らずに残してあります。

すると,毎年,同じ場所に,一斉に「泡」を作っています。


これから梅雨に入り,梅雨が終わると・・・「泡」も消えて,田んぼには「オタマジャクシ」が,大量に見えるようになります。


2022/06/10

砂鉄を眺めながら,小規模な「たたら」が操業出来ないか?と考えています。

 僕が手に持っている黒い砂は,「砂鉄」です。

この砂鉄は以前,町内で「たたら」を再現して,「玉鋼」を作るときに使用した残りです。




最近,近所に住んでいる,おじさんの家に私用で出かけていました。

この「おじさん」は,安芸太田町周辺の「たたら」や「木地師」の調査研究をしていた人です。

僕の工房には「木地師の調査研究」をされている方が訪ねて来られますが,その元になっている資料は,この「おじさん」が以前に集めていた物を使用しています。

まだ,僕の知らない資料や知識が大量に残されているので,少しずつ話を聞きながら,空白の歴史のパズルのピースを1個ずつ集めています。



今回は,「たたら」のお話を少しだけ・・・。

町内には,古い「たたら場」が沢山残っていましたが・・・ほとんどが重機などで完全に破壊されてしまっています。

しかし,数か所だけ「当時の形や規模」が確認できる状態の「たたら場」が山の中にひっそりと残っています。

こうした「たたら」の調査研究をされていた方は,大量の資料を残して,すでに亡くなられています。

今なら,まだ,ぎりぎりの状態で,現地と資料の確認が可能だと思いますので,なるべく話だけでも聞いておきたいと考えています。



そして,この「おじさん」は,小規模な「たたら」を操業できる知識と技術を持っている人です。

「今でも,たたらが操業できるか?」聞いてみたところ・・・。

「砂鉄」は,島根県で入手が可能。

「炭」は,ある。

「土」は・・・僕の家の前の山の頂上付近の「赤土」が良いらしい!?

あとは,不純物と一緒に「溶ける土」があれば・・・たたらが操業出来るそうです。

ただ,問題は・・・「人と資金」です!?

「お金があれば出来るけど,お金が無いと出来ない!?」って感じです。


「おじさん」が生きているうちに,1度だけでも・・・。

お金を貯めて,「たたら」を操業して,出来が悪くても「玉鋼」を作り・・・。

「玉鋼」から,「木工ろくろの刃物」を打ち出してやりたい!と,企んでいます。