先日・・・。
広島市内の釣具店さんのイベントで,木地師の里に「アマゴの稚魚の放流」に行きました。
その会場の隅っこには,木地師の里であったことが刻まれた「古い石碑」が,草の中にひっそりと隠れているのですが・・・見られる方は居ません。
「今の時代には,必要が無い。」と言って,庭で漆塗りの道具を燃やした先代の師匠を思い出しました。
さて,工房では・・・。
「最後だから,使ってしまえ!?」と,今年採取した「奥安芸漆」だけを贅沢に使用しています。
制作に必要な「トチの木」が,コロナの影響もあり,ここ数年,入手する事が出来ませんでした。
仮に,今年に「トチの木」が入手出来たとしても,椀木地が仕上がるのは・・・約3年後。
「お椀作りも,これで最後かなぁ~?」と,考えてしまいます。
そんな「お椀」を作る道具なのですが・・・。
これは,先代の使用していた「名前のない道具」です。
ずっと昔から,漆塗りに使用されていましたが,「使用するのが当たり前」だった為,名前がありません。
「どうせ,最後だし・・・この技法で仕上げるか!」
今回の「お椀」は・・・作者の自己満足かな?と,思います。
仕上がったら,1個・・・。
「古い石碑」に,そっと・・・置いて来ようかな?と,考えています。