2022/02/09

戸河内挽物の木工ろくろの足元の様子(消えた!?地下足袋)

 工房で使用している木工ろくろは、足元の「2本の棒」を足で踏む事で動きを操作します。

ベッタリと踏み込む訳ではなく、常に踏み加減を微調整しています。

ここら辺の重要な動きを動画で紹介が出来れば良いな!と思っています。

 そんな、作者の足元なのですが・・・。



いつも、「地下足袋」を履いて作業をしています。

単純な「踏む」って動作なのですが、親指の先での微妙な力加減が必要で、どうしても靴だと微調整が難しいのです。


 しかし、この「地下足袋」が購入出来なくなってしまいました。

いつも、購入していた近所のホームセンターに行くと・・・。

「取り扱いが無くなっていますので、お取り寄せが出来ません!?」

 ちょっと足を延ばして、広島市内の作業服屋さんに行ってみると・・・。

「今時、地下足袋は売れないから、仕入れはやめたよ。」

・・・気が付くと、地下足袋が消えていました。


この地下足袋は、木工ろくろの作業だけでなくて・・・。

「山仕事」や「漆掻き」でも必要な道具でした。


 昔ながらの物作りの世界では、一部の有名な人や作品が紹介される事があっても、それらを維持するのに必要な「素材」や「道具」を制作している人が表に出る事がありません。

少しずつですが、入手出来なくなる物が増えています。

 こんな話を工房ですると、

「では、私たちが出来る事は何なのですか?」と、聞かれます。


 作者の考える昔ながらの物作りや伝統を残す方法は・・・。

「商品を購入して応援する」事です。

補助金だと、ほんの一時しのぎになり、補助が終わると伝統が消える様子を各地で見ました。

伝統って言っても、そこには小さな経済があります。

お金の流れを止めずに、流れを太く!大きく!!する事が、結果的に伝統を残す事につながると感じています。


 ひとことで言うと・・・「工房の商品を買って下さいね!」です。